リュウキュウコオロギバチの越冬の謎
今日もシーズン最後になるかも知れない蜂撮影のため、一眼レフを首に下げ野を歩いた。
リュウキュウコオロギバチの12月の営巣を期待し、佐賀市大和町の実相院の石垣に、今日も貼りついていた。
日向ぼっこをする雌の姿はちらほら見られたが、やはり獲物を搬入する姿は12時過ぎまで待っても見られなかった。
みかん畑に場所を移してみると、みかんの木の下草についた甘露を求めて、ここにもリュウキュウコオロギバチが来ていた。
驚いたのは雌に交じって雄の姿が見られたこと。
以前からこの蜂が成虫越冬するという情報は得ていた。
ナミコオロギバチなどは、10月頃まで営巣活動をし一時姿が見えなくなるが、
11月を過ぎると、次世代が羽化して営巣地で暖をとり冬に備える。
一方リュウキュウは11月下旬に営巣を確認したことがあり、その次の世代が羽化して越冬に備える時間があるのか、疑問に思っていた。
これまでも3月に雄、4月に雌の姿を観察したことがあり、成虫越冬をした昆虫の自然な発生時期であるとは感じていた。
この時期きれいな雄の個体を確認したことで、ようやく疑問が氷解した。
そういえば、最近見る雌も体毛がきれいな個体が多い。
但し12月に営巣する可能性は絶対にあると思っている。
9年前の11月25日に、シロスジフデアシハナバチの古巣にクチキコオロギを搬入する姿を観察しているからだ。
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今年のオオトゲアワフキバチ
今年も機会があればと狙っていた、オオトゲアワフキバチ。
いつもの狩り場より数十m北の、工業団地の区画を分ける石垣の斜面
(実は私が勤める会社の工場)に1個体ではあるが、頻繁に狩りに訪れた。
段々狩りの手順がわかってきた。
リスクを避けて根元近くにも多くいる、アワフキムシの幼虫の泡巣を躊躇なく探しあて、
まず突進かと思いきや、多くは泡の周りを探索する。
観察していると、しばしばアワフキムシの幼虫は、蜂の接近を察知し泡巣から逃げ出す。
それを蜂もよく知っているかの様に上下と周りを探る動作を繰り返す。
上の写真は、その後ようやく泡の中を腹部の先で探る蜂の写真だ。
(但しこの泡巣は空き家だった)
後は泡の中の幼虫に針を突き立てるか、逃げ出した幼虫をしとめるかどちらかの手順になる。
こんなにささやかな泡も見逃さず、茎から枝別れした部分に潜む幼虫を
探し出し、針で刺す。
多くの場合飛来してから3分から5分の間にさっさと狩りをして巣のある林の方に飛び去る。
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春の訪れ
もちろんこの蜂がそろそろ出てきそうな予感を感じたからだ。
少し登って、大和不動カントリーのゴルフコースの近くになるまで少し下る。
11時30分ごろ山道の往路を歩いた時には、
山道の脇にヤヨイヒメハナバチの姿は無かったが、
ほんの十数分後の往路を歩く時には、多くの雄の個体が間もなく発生する雌を待って
飛び交っていた。
山道の山側の陽のあたる斜面に、早春発生する蜂の多くは陣取る。
一般に陽だまりと呼ばれる場所だ。
ここ佐賀県南部の低山地にはみかんを栽培する農家も多い様に、
日当たりのいい斜面が多い。
しかし陽だまりという事象を、科学的に説明することが、いかに無意味かと思うほど、
山道のちょっとした陽だまりは、早春の暖を不思議なほど蓄えている。
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今年のニッポンハナダカバチ
今年も恒例のニッポンハナダカバチツアー(大袈裟)に出かけた。
全然関係無い仕事の話で、もっと現場に行く道順を短縮できそうなことが発覚。
さっそくそのルートで行ってみた。
三瀬村の地鶏食堂から左にショートカットしR202に突き当たるまでひたすら進むと
すぐ今宿駅だった。
これからはこのルートが良さそうだ。
今年は海岸で見る個体は雄が多かったので、少し早いのかと思ったが、
幸い獲物の搬入を撮影出来た。
写真の2枚だけだったが、これまで見たことがないアブだったので、収穫だった。
下の写真はドロバチか何かに擬態したアブだが、昆虫同士では効果が無い様だ。
他にもコウベキヌゲハキリバチを撮ったが、これも雄が多く雌は1頭見かけただけで、
期待した営巣写真は撮れなかった。
アカゴシクモバチも昨年に引き続き撮れたが、獲物を搬入し穴を塞ぐところだった。
ハイイロクモバチは1頭も見かけなかった。
いつか営巣写真を撮りたいものだ。
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キバネトゲアシクモバチ
そろそろツチバチやスズメバチなど限られた蜂しか見られなくなる季節になった。
今日、リュウキュウコオロギバチには少し早いかと思いつつ、佐賀市大和町の実相院の石垣をしばらく眺めていたが、時間が惜しいと思い、みかん畑のシロスジフデアシハナバチを少し見てから、富士町市川に向かった。
数年前の11月初旬にキバネクモバチをここで見てから、いつか蜘蛛運びを見たいと思っていたところ、昨年6月末に雄を棚田の石垣に見つけた。
ずっと会いたいと思っていたので、今日はこの蜂を見つけたくてここに来たのだが、
まさに石垣の草の隙間にこの蜂の雌を見つけた。
獲物を探しているのか、草の隙間を徘徊した後、どこかに飛び去った。
少し山の上に登ってから帰りに同じ場所に戻ると、反対側の山の方から斜めに飛んで降りてくる影を見つけ、この蜂が蜘蛛を狩って降りてきたと直感した。
果たしてそのとおりで、とうとう、神様が「そんなに会いたいのなら、会わせてやる」といっている様な出会いだった。
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今年のニッポンハナダカバチ
今年も恒例のこの地にやってきた。
福岡市西区の生の松原海水浴場。
保護団体(?)の活動の甲斐があったのか海の家は禁止され、砂浜の植物の生態系のかなり改善されたようだ。
目当てのニッポンハナダカバチは、まだ早いかと思ったが、10畳ほどのスペースの営巣地を2つ確認、それぞれに数個から十数個の巣穴の痕跡があった。
獲物を頻繁に搬入した巣は1つ(当日中型のアブを4-5頭搬入)、つまり営巣期の末期であることを示唆した。
もうひとつは好対照の育房完成直後に獲物を搬入した。(写真)
ファーブルが言うように小さなハエが獲物だったが、これに産卵するとされる。
ファーブルはこの蜂が他の狩り蜂と異なり、獲物を殺してしまうと記しているが、
最近の研究では、やはり麻痺させられているとされる(完訳ファーブル昆虫記=奥本大三郎)
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今年のオオトゲアワフキバチ
今年は気候のせいでいろいろな動植物が前倒しで活動している感じがする。
一昨年佐賀市富士町の会社の裏で見つけたオオトゲアワフキバチ。
昨年に続き今年も発生した。
上の写真は先週の日曜日にすでに狩りを始めていた写真。
活動しているのはどうやら1頭のようだった。
今週は個体数が増えていることを期待して、午前10時過ぎから待機したが、
どうやら私が張っている場所を訪れるのは1個体のようだった。
今日も何度か現場を訪れた蜂を狙い、どうにか撮れた写真。
実は林の中アワフキムシ付きの草を切り、水を入れたペットボトルに入れて、
地面に置いて待ったのは2週続きのことだったが、蜂は残念ながら見向きもしなかった。
1昨年は泡つきのヒメジョオンを手で持って差し出すと、すかさず狩猟行動に出たので、
その後も機会を狙っているが、今年もチャンスは来週を残すのみだ。
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今週のヤマトハキリバチ
今週日曜日(6日)に佐賀市大和町の実相院で、早くも活動を始めていたヤマトハキリバチ。
今日はさらに多くの個体が営巣をしていた。
石垣の隙間から土を掘り出した跡を確認できるだけでも、ゆうに2-30の巣がある。
仕事帰りの15時過ぎにのぞいた時には、見ている間に何頭もの蜂がスコパに花粉をつけて帰巣して来た。
少し興味深いことを考えた。
今日は1-2頭のヒメトガリハナバチが見られたが、例年の数ほどはいない。
6日日曜日には1頭もいなかった。
ヤマトハキリバチは例年にない個体数が着々と営巣を進めている。
基本的に同じ気候で活動期を迎えるはずの両種だが、今年は少しずれが生じたように思う。
ヒメトガリハナバチが寄生の機会を逃したり、来年の発生数への影響が出たりするだろうか。
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アカアシハヤバチ
この蜂はヤブガラシやノブドウなどの花で
それなりの頻度で目にするので、珍種と呼ぶには抵抗がある。
しかし個体数が多いかといえばそうでもない。
それより何より、狩りや営巣を観察出来る機会がなかなかない蜂だ。
故郷の兵庫県の加古郡播磨町では、近所のヤブガラシが自生している所で
時々見かけた。
オオハヤバチなどは隣町の稲美町へ行かないと目にすることは出来なかった。
ここ佐賀市富士町の市川で、以前狩りの現場を見ることが出来たが、
営巣を見る機会がなかった。
今日地面を飛ぶこの蜂を見かけ、営巣していると直感したが、
たまたまその近くで別の個体が営巣しているのも発見し、
13時半まで張っていたが、獲物を搬入する姿を見ることができなかった。
仕事をこなし16時半に退社したが、この蜂を諦めることが出来ずに、
再び車で15分のこの地に来た。
あと数分で太陽が山に隠れる寸前に、ササキリモドキの一種を狩って帰巣した。
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今年のキアシハナダカバチモドキ
8月12日夜帰省し、13日に恒例のキアシハナダカバチモドキの
チェックをしに行った。
兵庫県加古郡播磨町の、人工島を望む旧海岸部にある、
グラウンドの周りのカイヅカイブキを植えてある地面の荒い砂にこの蜂が
営巣している。
ちょうど10年前たまたま発見したのだが、2005年に獲物の搬入を
初めて撮影した。
昨年、橋を渡って人口島に入ったちょっとした広場にも
クロアナバチが営巣しているのを見つけ、今年も見に行ったが、
そこにこの蜂が獲物のバッタをさがして訪れているのを
発見した。
合間にのどが渇いたのか、水を飲む。
地面近くをバッタを探して飛ぶ。
実際にバッタにアタックしたが、失敗した。
土塊や葉に写った枝の影など、紛らわしいものにも
かまわずアタックする。
今年はバッタの巣への搬入は撮影できなかった。
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明けましておめでとうございます
新年明けましておめでとうございます。
あっというまに一年が終わり、2013年が始まった。
仕事に追われ、盆と正月くらいしか完全休養できない。
実家に帰って久しぶりの長期休暇(8日間だが、最後の日曜日は出勤)を取り、
十分に充電できたが季節柄蜂がいないのが残念だ。
蜂ライフは今年も充実させたい。
目標は、オオトゲアワフキバチの営巣場所発見、ヤスマツヒメアナバチの獲物搬入の撮影、
ニッポンハヤバチの営巣活動の撮影、昨年に続きニッポンハナダカバチの営巣撮影、
ハイイロクモバチの営巣撮影、アオスジクモバチの狩りと産卵の撮影、コシブトジガバチモドキの営巣の撮影...
数え上げたらきりがないが、とにかく今年も蜂中心(本当は仕事が思い切り中心)のフィールドワークを充実させたい。
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ヨコバイバチ
先日新しいデジ一を買った。
鳴り物入りで発売されていたNIKONのD800。
仕事に追われて情報から隔離されていた。
D600発売の情報を得てからの確認、遅すぎる。
スペックと値段を比べ、思案に思案を重ね、さらに下見に行く。
前回のD200の時の様に、下見のつもりが衝動買いをした。
関西人のDNAか、そのD200の時やタムロン180マクロの時の様に、普通に値切った。
早速残されたわずかなシーズンの中で、限られた被写体を探しに、佐賀市富士町の市川の山に登る。
農道脇の斜面で多くのヨコバイバチが営巣する。
巣穴はなかなか確認できないが、獲物搬入前に一休みする個体を時々撮影することが出来る。
ヨコバイかアワフキムシの一種か。
腕は機械をもてあますが、トリミングをしてもかなり写っている。
なによりファインダーから覗く絵は老眼の目に優しい。
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ナミモンクモバチ
佐賀市富士町市川の山で。
コガタコガネグモを狩り、運ぶ。
林縁やちょっとした茂みで見かけることが多いが、
この日も山道に生えた草に蜘蛛を引っ掛け、巣穴を掘る場所を探していた。
結局場所を変え、下を流れる川べりのほとりの地面に蜘蛛を運んだ。
見ていると下草のかげなどものかげを嗜好する傾向があるようだ。
以前大和町のみかん山でも狩りを見たが、その後近くの刈った下草の下を探り、
巣場所を探していたので、オープングラウンドよりそういう環境を好む可能性はある。
山道の地面を掘り始める。
結局ここでの営巣は諦めた。
巣を張る蜘蛛を狩るこの蜂やキオビクモバチを、ベッコウバチ(ベッコウクモバチ)と紹介している書籍やサイトが複数あるが、ベッコウバチ(ベッコウクモバチ)は徘徊性の蜘蛛しか狩らない。
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ベッコウクモバチ
ベッコウバチとも呼ばれるが、近年は専門家の方が、旧ベッコウバチ科の蜂を
クモバチと呼ぶように推奨されているので、ベッコウクモバチと呼ばれるようになった。
名の由来である鼈甲色の体色は、代表種であるこの蜂以外ではあまり見られない。
大家故岩田久二雄氏をして悪名と言わしめた名前だ。
労働寄生種以外は、全て蜘蛛を狩るこの蜂の名前としてはぴったりといえる。
英名もスパイダー・ワスプ(クモバチ)だ。
クモカリバチの方が・・・という人もいるが、クモカリバチは別のグループで実在する。
盆の帰郷時に、姫路の書写山以外にスポットを探していたが、かつての勤務先である
神戸市長田区に隣接する須磨区に「高取山」という山がある。
暑い中、試しに登ってみた。
高取神社に登り切るまでは、スジボソコシブトハナバチや、その寄生種ルリモンハナバチ
ぐらいしか見られなかったが、妙法寺側に降りる道で、この蜂が蜘蛛を運ぶのを久しぶりに見た。
アシダカグモの一種だろうか。
この蜂は徘徊性の蜘蛛だけを狩る。
佐賀県南部では7月のうちに活動を終えてしまうが、ここでは多くの個体を見た。
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今年のキアシハナダカバチモドキ
盆に兵庫県の実家に帰省した。
2003年に加古郡播磨町の新島に面したグラウンドの脇に営巣するこの蜂を発見してから、もう9年が経つ。
2005年から獲物を搬入する姿を毎年撮影してきたが、昨年で途絶えた。
今年は営巣中と思しき巣穴の数が少し少なく思えたが、獲物を搬入する姿を再びとらえることが出来た。
営巣地の近くにヤブガラシやノブドウが自生する空き地があるのだが、
クロアナバチ等が多く訪花する割には、この蜂の姿がなかった。
今年初めて訪花する姿を撮影した。
13日にも現場を訪れたが、あまり活動は確認できなかった。
時々まめに帰巣するが、大体1時間まっても1度獲物の搬入が見られれば上出来だ。
7年前初めて撮影したときと同じオンブバッタの幼虫だ。
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ついにニッポンハナダカバチ
今日はアルマンを観察用トラップ内で、つぶさに観察しようと、
朝早くから佐賀市富士町の市川の山に出向いたが、
成果はなかった。
それならばと思い、明日に決行を予定していた、ニッポンハナダカバチの
探索を今日行うことにした。
兵庫県の日本海側や、中国地方での発見例をネットで見ながら、
いずれこの目で見たいと思っていたが、今年福岡市の西区で撮影された
写真を見つけ、福岡県の北部沿岸をこの蜂を見つけに行く計画を立てていた。
明日出かける予定だったが、市川でぼうずだったため、本日R263を
一路福岡へ向かった。
姪浜より西側の沿岸部が非常にくさいと、事前にあたりをつけていたが、
今宿の駅前の駐車場から徒歩で道路を東に向かい、最寄の海浜公園を
はずした2箇所目の海水浴場でついに発見した。
4畳半ほどのスペースに10頭ほどが営巣している様だった。
他の場所にも巣穴らしい痕跡があり、ある程度の規模の営巣場所のようだ。
しかし海水浴場に西のはずれから歩いたところこの場所意外に営巣している場所は
発見できず、さらに東には水着の女性が甲羅干しをしていて、これ以上の探索は
不可能だった。
育房に先に産卵し、随時給餌すると言われているこの蜂の
獲物搬入の撮影は期待していなかったが、
運良く、アブを搬入するところを2回とキンバエを搬入する
ところを1度撮影した。
いずれも別の個体だった。
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